大阪市立大学病院の詳しいメニエール病の説明
大阪市立大学病院(大阪市阿倍野区、天王寺駅の近く)では、
最新のCTによる立体的な画像診断法を導入し、早期発見に力を入れている。
内耳は、カタツムリのような形をしていて、音を感じる「蝸牛」、
重力や加速を感じる「前庭」、
体の回転を感じる「三半規管」
などの器官で構成される。
各器官の内部にはリンパ液が流れている。
大阪市立大学病院耳鼻咽喉科教授の山根先生は、メニエール病患者250人以上のCTを分析し、患者の内耳では「球形のう」と呼ばれる前庭の一部と、蝸牛とを繋ぐ細い管が太く変形しているという特徴を発見した。
この変形は、球形のうの内壁にくっついている炭酸カルシウムの血症(耳石)の一部が剥がれて管が詰まることで生じる。と山根先生は考えている。
その結果、内耳に水ぶくれができ、メニエール病を引き起こすと見られる。
メニエール病の確実な治療法は見つかっていない。
早期発見できれば完治する可能性はある。
従来の診断では、めまいや難聴としった症状がはっきり確認できないと、メニエール病と結論付けるのは難しかった。
画像診断なら疑いのある段階で判断でき、早期治療も期待できる。
研究を始めた2000年代半ばでは内耳の骨の部分しか見えなかったが、現在は内部の組織まではっきり撮影できるようになった。